ワツコ(株)の試用期間不当解雇撤回を支援する会 竹信三恵子さん講演会
2022年3月12日、大阪市内でワツコ(株)の試用期間不当解雇撤回を支援する会の第二回総会と、竹信三恵子さん講演会が行われました。
ワツコ株式会社は、大阪市内にある電子通信の会社で、電話回線とかネット回線とか監視カメラの事業をしています。
Aさんはワツコ(株)に入社してすぐに、会社内で暴力事件に巻き込まれ、けがをしてしまいました。Aさんがそれを労災だと言ったことを会社は嫌い、試用期間でもって解雇すると通告してきたのです。
試用期間中でも労災は労災です。それを嫌うというのはおかしいのです。暴力事件というのも、新入社員の教育のためには叩いたりすることもあるよねという考え方で運用していたらしく、会社には全く反省の色がありません。
Aさんはなかまユニオンで、ワツコ(株)に対して解雇要件を満たしていないので解雇は不当だと申し入れ、団体交渉を行いました。しかし、ワツコ(株)は誠実に交渉をしようとしませんでした。
なかまユニオンは、ワツコ(株)が交渉に誠実に応じないこと自体がおかしいと考え、大阪府労働委員会に申し立てました。労働委員会は、公正な審査の上でワツコ(株)に非があると判断し、交渉に応じることと、謝罪文を出すことを命令しました。ところが、ワツコ(株)とその弁護士は、やっと開催できた交渉の場でも不誠実なふざけた態度に終始したのです。
この会社、やばくね? ワツコは弁護士の人選を間違ってないか?
ワツコ(株)のAさんに対する仕打ちを聞いた人は誰でもがそう思っています。
労働関係に詳しいジャーナリストである竹信三恵子のお話では、ワツコ(株)のような事例が日本中にはたくさんあり、蔓延していることが語られました。「回転ドア型」雇用と言うのだそうです。回転ドアって、入ったと思ってもまごまごしてたらクルッと回ってまた外に出てしまいますよね。それと同じで、入社したと思ったらすぐに、よくわからない理由で解雇されて放り出されてしまうことがよくあるのです。
新入社員に対し、わざといじめる会社が多いのです。何を言われても黙って我慢する人しか要らないと考える会社です。無理難題を押し付けられても、悪口を言われても、時には殴られても、それを我慢するように「教育指導」するのです。それに耐えられないと見るや否や、クビにしてしまうのです。
そんな、何を言われても黙っているイエスマンの人材ばかりになってしまえば、会社は衰退します。新しい局面の時に厳しい相互批判と創意工夫をできないからです。イエスマンとは、無責任ということです。日本の経済が停滞しているのは、このような会社の姿勢が原因になっているのです。
今の日本の社会は、日本国籍の健常な壮年男性以外の労働者は、守らなくていいのだという発想になっています。「女性は夫がいるから」「外国人はいずれ国に帰るから」「障がい者は家族が面倒を見るから」「若者は親に頼ればいいから」などと、様々な理由で差別しては、労働法の保護規定から外そうとしてくるのです。そんな差別が根拠がないことは、働く人の生活の現場をまともに見ればわかることです。
労働法の保護規定、つまり「働く人は会社の抑圧から保護されるんですよ」というルールは、本来はすべての人のためにあるのです。しかし、日本では学校でそのことを教えてくれないので、「労働法による保護」なんて見たことも聞いたことも無いという人が増えています。
労働法の知識は、まともに活動しているユニオンに相談して聞くのが一番良いのです。ネット上の情報は、会社上層部から金をたんまりもらった悪徳弁護士によってウソの情報が増えています。気を付けましょう。私たちは、人間が人間であること、差別を許さないことを肝に銘じながら、悪徳企業や悪徳弁護士に今日も明日も立ち向かっていくのです。
人の世に熱あれ、人間に光あれ! 水平社の高らかな人間宣言を、今こそ思い起こすべき時です。
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