6年ぶりに昇給実現 ベテラン職員には役割にみあった賃上げを!
医療法人協仁会小松病院では、6年間も定期昇給が凍結されてきました。ハローワークの求人募集には「定期昇給有り」と書かれているのに、実際は定期昇給が無いという、異常な状態でした。
この10月、やっと臨時に昇給が実現しました。以下、なかまユニオン小松病院分会が出した声明です。
声明
10月支給分の賃金(9/16~10/15の分)から、今年に限っての単年度の昇給が行われることが発表されました。
常勤職員については、俸給表で1号俸の昇給となります。パート職員については、時給が30円上がります。なお、60歳以上の職員は対象外で昇給はありません。
協仁会では2016年から定期昇給が凍結されていましたので、実に6年ぶりの昇給となります。
どんなに長い日々だったでしょうか。実に多くの仲間が、ここで働くことに希望を失って、あるいは生活の糧を他に求めて、職場を去っていきました。
この10月1日から厚労省によって診療報酬の改定が行われ、病院に入ってくる収入が増加します。この趣旨は、医療機関に働く者の賃上げをしろということです。10月という不定期な時期に改定が行われたのは、医療・介護の労働者の賃上げが待ったなしの状態になっているという緊急の判断があったからです。
厚労省が労働者の賃上げのために病院の報酬を増やしているのに、協仁会がそれでも昇給を行わないようであれば、それは社会的に批判されるような事態になるわけです。今回の、単年度の昇給はまったく当然のことと言わざるを得ません。
問題は、6年間の定期昇給の凍結によって、6年前に入職した人と昨年入職した人との賃金の差が無くなってしまっているということです。6年も働けば、職場では中堅です。新入職員と中堅とでは職場で果たす役割が違います。ですから、中堅の方が賃金が高くて当然なのです。これを、「同一価値労働同一賃金の法則」と言います。
例えば事務のパート職員の場合、この6年間に入職した人の時給は一律に1000円となっています。比べて15年以上働いてきたある人は1068円なのです。68円しか違いがありません。15年働けばベテランです。もっと高くても当然なのです。「同一価値労働同一賃金の法則」が適用されるべきです。
私たちは、職場で働く人の役割には、少なくとも「新入職員」「新人」「中堅」「ベテラン」「リーダー」の5つの段階があると考えます。新入職員は行政が定める最低賃金のレベルでも仕方ないかもしれませんが、例えば「新人」なら時給で50円の上乗せ、「中堅」なら時給で100円の上乗せ、などのように役割に見あった適正な賃金が支払われるべきだと考えます。
そのような賃金制度になってはじめて、働く者も人生設計ができるし、医療法人も先の見通せる持続的な経営が可能になるのではないでしょうか。
また、今回の昇給が単年度に限られているということも、気になります。物価の値上げはすさまじいです。電気代、パンなどの小麦製品、缶詰など、軒並み値上げが続いています。このような中で、来年の4月にはまた昇給が凍結されるなどということでは、生活がなりたちません。
安心して働き続けられる賃金制度を、実現していきましょう。
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