消費増税なのに薬価が引き下げ・これじゃ保険医療はつぶれるよ
来年4月の薬価の引き下げについて、なかまユニオンの中で話題になりました。
来年度、2019年の4月に「薬価を引き下げる」という報道です。見出し( ▲のところ)に、はっきりとそう書かれています。
ところが、その見出しの下の解説コラムに、逆に「薬価を引き上げる」と書かれているのです。( ▼のところ)
これはいったいどういうことでしょうか。書き間違いの単純ミスか、とも思いましたが、そうではないのです。
くだんの解説コラムを読んでみましょう。
「薬価は、病院などが患者に処方する医薬品の公定価格。2年に1度の診療報酬改定で、病院などが医薬品卸業者から仕入れる市場価格の水準に合わせる。今回の改定は消費増税に対応するための臨時のもの。病院などが医薬品を仕入れる際は消費税がかかるが、患者に処方する際は非課税のため、このままだと増税分を病院などが負担することになる。このため増税相当分だけ薬価を引き上げる。」
この解説コラムの内容は、理にかなっています。保険医療は消費税非課税扱いとなっているので、病院や薬局の窓口では消費税を加算することができません。しかし、病院や薬局が仕入れる際には消費税を払わないといけません。結果、消費税分を病院や薬局が損することになるのです。そうならないために、薬価は消費税相当分を含む額とされているわけです。
つまり、消費税が8%から10%に増税されるなら、薬価は2%分が引き上げられて当然なのです。解説コラムにある「増税相当分だけ薬価を引き上げる」が正しいのです。
ではなぜ、それとは真逆に、見出しにあるように「薬価が引き下げ」という結果になるのでしょうか。
これは、財務省・首相官邸がいっさいの理屈抜きで薬価を引き下げようとしているからなのです。「おまえら、薬価を引き上げて欲しいなんて、よくも言ってきたな!じゃあ、薬価を引き下げてやる!理屈なんて無くてもいい!何がなんでも薬価を引き下げてやる!」と、切れに切れまくっているのが財務省なのです。
彼らは、薬価を下げれば、保険医療への国の補助金を減らすことができるという考えなのです。財務省をあやつる安倍総理大臣は、なんとしてでも社会保障にかかわる国の出費を減らそうと考えているのです。
当然、財務省・首相官邸と、薬価行政に直接かかわる厚労省との間にも、考え方の食い違いが発生しています。消費税の増税にあたって薬価を引き上げなければ、病院や薬局の現場が損をし、保険医療が成り立たなくなるからです。
しかし、安倍総理大臣の独裁的なやり方に逆らうことができるはずがありません。閣僚も官僚もみんながイエスマンに成り下がってしまいました。安倍総理に任命された厚生労働大臣様は、国民の社会保障をどう守るかなんていう「難しいこと」はさっぱりわからないようです。
「消費増税は社会保障の充実のため」と安倍総理大臣は言います。これまでもずっと言い続けてきました。それなら、なぜ社会保障を削るような薬価引き下げを強行するのでしょうか。ウソもいいかげんにしてほしいのです。
消費税の10%への増税は、絶対に許してはいけません。貧困な庶民が苦しむだけです。まじめに保険医療に苦労している病院や薬局が経営破綻になります。そして消費が低迷し、景気が冷え込み、経済そのものが破綻し、国が滅びます。
もう、ガマンできない!消費増税許せない!