「労働刑厄法」ってなんじゃそら!
「ろうどうけいやくほう」って入力したら、「労働刑厄法」って変換されたけど、もちろん正しくは「労働契約法」です。日ごろのワープロの使い方を反省。
自民党と公明党が去年からこの法律を作りたいって言ってたけど、みんなが反対したのでいったんは取り下げになりました。最近になって民主党が「ちょこっと変えてくれるんなら賛成します」と立場をひるがえしたので、急に「本当にできるかもしれない」と国会のまわりでは大騒ぎになっているわけです。
なんで大騒ぎ?と思って、「労働契約法」の法案をネットでダウンロードしてみました。法律の文章ってわざと難しく書いてあるから、読むのに骨が折れます。しかし、読んだら一発で「それはあかんやろー」と思いました。
契約っていったら、不動産屋でのアパートの賃貸契約とか、しょっちゅうではないけど、時々ハンコを押す機会がありますよね。どんな場合でも、契約の条件をお互いが確認した上で、書面で契約を結ぶわけです。お互いの合意が前提。つまり、一方が勝手に契約内容を変えていいなんていう、そんな契約は無いわけです。
労働契約法の法案を見ると、やっぱり「労働契約は労働者および使用者が合意することによって成立する」と書いてあります。当然のことです。ところが、その次にはこう書いてあるのです。「使用者が就業規則を労働者に周知させた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする」これはどういう意味でしょうか。
「就業規則」というのは使用者、つまり会社が独断で決めることができるものです。どこの会社も誰も知らないところで一部の経営陣によって決定されています。「周知」とは辞書によれば、「広く知れわたること」です。実際には、会社の掲示板に紙に書いて張り出せば、それが「周知」ということです。ということは、会社が労働条件を変えようということを勝手に決めて、それを掲示板に張り出せば、ひとりひとりの労働者がきちんとした説明を受けていなくても、またその変更に賛成していなくても、その張り出した内容が契約の中身になってしまうということです。
「こんどから、労働契約の内容を会社が一方的に決めたり、すきなように変えたりしてもいいんですよ。ただし、その内容を掲示板にはりだしなさい。」というのが労働契約法の意味するものなのです。ただでさえ会社が好き勝手な労働条件を決めて、働いてる人がヒイヒイ悲鳴を上げている状況なのに、それを解決するどころかやりたいほうだいにお墨付きを与えるようなものです。
これではいけません。やっぱり「労働刑厄法」と書いたほうがいいかも。
なんでこんな法律に民主党が賛成しようとしているのか、理解に苦しみます。とにかく、こんな法律はやめさせるべきです。
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