全国のなかまとともに

ワツコ(株)の試用期間不当解雇撤回を支援する会 竹信三恵子さん講演会

 2022年3月12日、大阪市内でワツコ(株)の試用期間不当解雇撤回を支援する会の第二回総会と、竹信三恵子さん講演会が行われました。

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 ワツコ株式会社は、大阪市内にある電子通信の会社で、電話回線とかネット回線とか監視カメラの事業をしています。

 Aさんはワツコ(株)に入社してすぐに、会社内で暴力事件に巻き込まれ、けがをしてしまいました。Aさんがそれを労災だと言ったことを会社は嫌い、試用期間でもって解雇すると通告してきたのです。

 試用期間中でも労災は労災です。それを嫌うというのはおかしいのです。暴力事件というのも、新入社員の教育のためには叩いたりすることもあるよねという考え方で運用していたらしく、会社には全く反省の色がありません。

 Aさんはなかまユニオンで、ワツコ(株)に対して解雇要件を満たしていないので解雇は不当だと申し入れ、団体交渉を行いました。しかし、ワツコ(株)は誠実に交渉をしようとしませんでした。

 なかまユニオンは、ワツコ(株)が交渉に誠実に応じないこと自体がおかしいと考え、大阪府労働委員会に申し立てました。労働委員会は、公正な審査の上でワツコ(株)に非があると判断し、交渉に応じることと、謝罪文を出すことを命令しました。ところが、ワツコ(株)とその弁護士は、やっと開催できた交渉の場でも不誠実なふざけた態度に終始したのです。

 この会社、やばくね? ワツコは弁護士の人選を間違ってないか?

 ワツコ(株)のAさんに対する仕打ちを聞いた人は誰でもがそう思っています。

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 労働関係に詳しいジャーナリストである竹信三恵子のお話では、ワツコ(株)のような事例が日本中にはたくさんあり、蔓延していることが語られました。「回転ドア型」雇用と言うのだそうです。回転ドアって、入ったと思ってもまごまごしてたらクルッと回ってまた外に出てしまいますよね。それと同じで、入社したと思ったらすぐに、よくわからない理由で解雇されて放り出されてしまうことがよくあるのです。

 新入社員に対し、わざといじめる会社が多いのです。何を言われても黙って我慢する人しか要らないと考える会社です。無理難題を押し付けられても、悪口を言われても、時には殴られても、それを我慢するように「教育指導」するのです。それに耐えられないと見るや否や、クビにしてしまうのです。

 そんな、何を言われても黙っているイエスマンの人材ばかりになってしまえば、会社は衰退します。新しい局面の時に厳しい相互批判と創意工夫をできないからです。イエスマンとは、無責任ということです。日本の経済が停滞しているのは、このような会社の姿勢が原因になっているのです。

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 今の日本の社会は、日本国籍の健常な壮年男性以外の労働者は、守らなくていいのだという発想になっています。「女性は夫がいるから」「外国人はいずれ国に帰るから」「障がい者は家族が面倒を見るから」「若者は親に頼ればいいから」などと、様々な理由で差別しては、労働法の保護規定から外そうとしてくるのです。そんな差別が根拠がないことは、働く人の生活の現場をまともに見ればわかることです。

 労働法の保護規定、つまり「働く人は会社の抑圧から保護されるんですよ」というルールは、本来はすべての人のためにあるのです。しかし、日本では学校でそのことを教えてくれないので、「労働法による保護」なんて見たことも聞いたことも無いという人が増えています。

 労働法の知識は、まともに活動しているユニオンに相談して聞くのが一番良いのです。ネット上の情報は、会社上層部から金をたんまりもらった悪徳弁護士によってウソの情報が増えています。気を付けましょう。私たちは、人間が人間であること、差別を許さないことを肝に銘じながら、悪徳企業や悪徳弁護士に今日も明日も立ち向かっていくのです。

 人の世に熱あれ、人間に光あれ! 水平社の高らかな人間宣言を、今こそ思い起こすべき時です。

 

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2022年 なかまユニオン旗びらき

 2022年の新年。なかまユニオン旗びらきが、1月16日に大阪市内で開催されました。拡大するコロナ感染に配慮し、規模を縮小しての開催となりました。

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 2021年は、なかまユニオンはたくさんの成果が上がりました。

 東リの偽装請負解雇事件では、大阪高等裁判所で判決があり、入念な証拠調べに基づいて会社が偽装請負・違法派遣状態であったことを認め、被害を受けた労働者5名の解雇撤回・職場復帰を求める勝利判決となりました。このような立証を行ったことは日本の裁判史上では初めてのことで、5名の団結力と、弁護団の活躍と、ユニオンの支援とが勝利の要因でした。

 大阪府の教員の梅原さんが定年時の再任用で不当に差別されて任用されなかった事件でも、大阪高等裁判所で判決があり、事実調べに基づいて任用拒否が違法であったという勝利判決となりました。「君が代を歌わなかった」という程度の理由では、再任用をしない理由にはならないという判決です。

 飲食チェーン店「なか卯」で働いていたAさんが職場改善を「貼り紙」という形で提案したことを理由に解雇された事件では、大阪地方裁判所での審議と交渉の結果、解雇が撤回され解決金を会社が支払うという勝利和解にいたりました。

 旗びらきでは、なか卯裁判を支援してきたメンバーによる寸劇が披露されました。非正規社員だったAさんが深夜勤務を一人で任され、酔客とのトラブルに本部が適切に対応しなかったことなど、Aさんが「貼り紙」をするに至った事情がよくわかる寸劇でした。

 学校現場でのパワハラのひどさに対しても、教職員なかまユニオンは取り組みを進めています。パワハラ相談窓口に相談したら、かえってパワハラがひどくなった例など、学校当局の対応の不適切さ、無責任さが異常な状態になっています。

 介護・福祉・医療現場はコロナのせいで疲弊しています。あまりにも低賃金で、働き続けることが難しく、職場崩壊の寸前となっているところも多いのです。そんな現場での賃上げを、なかまユニオンは訴えています。

 たくさんの相談が寄せられています。2022年、なかまユニオンはまた忙しくなりそうです。

 

 

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なかまユニオン2020旗開き 「わたしには仲間がいる喜びかみしめて」

 1月12日、大阪市内で、なかまユニオン2020旗開きが開催されました。

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 なかまユニオンの旗開きは、組合員による手作り企画です。とりわけて料理は、「炎の料理人」と呼ばれる執行委員の立案をもとにして、みんなで分担して作って持ち寄ります。みんな慣れているので、てぎわよく盛り付けていきます。

 また、飛び入りでたくさんのタコヤキを提供してくれた組合員もいました。

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 今年は、おでんを温めておく電熱式の特製お鍋も登場。

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 旗開きは、最近亡くなった組合員Mさんへの黙祷から始まりました。介護福祉支部の活動に尽力された方で、まじめで暖かな人柄でみんなから好かれていた人でした。長い闘病生活は苦しかったと思いますが、最後までユニオンの仲間のことを考えてくれていたと聞きます。

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 そして、最近に職場の問題が解決した組合員への花束贈呈。全員が参加できたわけではなかったので、花束が余りました。それだけたくさんの解決ができたということです。

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 鏡割りは、なかまユニオンの井手窪委員長と、東リ偽装請負裁判を闘うLIA労働組合の藤澤委員長の二人で行われました。舌の肥えた組合員もいるので、お酒はかなり上等のものを用意しました。

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 そして、2020年の健闘を祈願して乾杯。

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 ちらし寿司も煮卵もインドカレーも、美味かったです。

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 組合員からの出し物が続きました。フランスの愛の歌、韓国のセウォル号沈没事件真相解明を求める歌、ユニオンで職場に花を咲かそうと呼びかける歌。

 

 教職員なかまユニオンからは、大阪の教員人事評価がおかしなことになっているという訴えがありました。

 営業売り上げ額が「業務成績の目安」になる営業職などとは違って、教員の業務評価はたいへん難しいことなのです。ところが、教育委員会からは校長に対して「誰でもいいから、学校で一人の教員を選んでこいつはダメだという評価を出しなさい」という命令が出ているのです。結局、校長に対してごますりをしないような人とか、欠点をつけられても文句を言わなさそうな気の弱い人とかが、イケニエにされてダメ評価になり、給料を減らされているのです。これが、維新の会がやりたかった教育改革なのでしょうか?大失敗と言わざるをえません。

 なかまユニオンは、おかしい!と声を上げています。詳しくは「47NEWS教員人事評価」で検索してみてください。

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 そして恒例の、川柳大会。参加者がその場で川柳を書きます。

 今年の優秀賞は二つ。一つは、「わたしには 仲間がいる 喜びかみしめて」

 もう一つは、「公文書 桜のごとく 消えゆく」

 特別賞は、「小学校 がんばる」 でした。子どもが生まれてみんなで育てていくことを、喜びあえる社会にしたいものです。

 ほかにも、なかまユニオンに出会い、なかまユニオンに入り、職場の問題を解決できた喜びを表現した川柳がたくさんありました。

 2020年も、なかまユニオンはたくさんの人と出会い、たくさんの職場を明るくしていきたいと思います。

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11.4団結まつり LIA労働組合が支援を訴え

 11月4日、大阪の扇町公園で団結まつりが開催されました。冷たい木枯らしが吹いたものの、天気はよく気持ちの良い日でした。

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なかまユニオンは労働相談コーナー、模擬店などを行いました。

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 LIA労働組合は、公正判決署名を集めています。神戸地裁での裁判は最終局面に入ってきています。問題になっているのは偽装請負なのですが、県の労働局にはまったく問題解決の姿勢がありません。偽装請負の救済制度である「みなし雇用制度」を守るために、ぜひ署名にご協力お願いいたします。

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ストライキするか?そもそもストライキって、何? なかまユニオン定期大会

 6月30日、なかまユニオン第22回定期大会が大阪市内で開催されました。

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 この一年間も、たくさんの成果がありました。一つの職場で複数の労働者が一斉に加入したところがたくさんあり、職場分会活動が進んだことも成果の一つです。

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 なかまユニオン結成20周年集会を成功させ、ユニオンのこれからの姿について考え始めたことも大きいのです。

 定期大会では、10年後には10倍の大きさのユニオンにしていこうという提案が行われました。10年で10倍化と言われても、雲をつかむような話ではあります。しかし、それに向けて、着実に手を打っていこうという話なのです。

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 大会では、恒例の手作り料理もみんなで持ち寄り、大いに食べながら議論が進みました。

 議論になった中に、「ストライキを本気で考えてみないか」というテーマがありました。

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 日本国憲法で規定されている労働基本権(労働三権)は、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の三つです。

 団結権とは自由に労働組合を結成する権利。団体交渉権は、労働組合が企業と交渉する権利。逆に言えば企業が労働組合の交渉に応じる義務。そして団体行動権は労働組合がストライキなどの争議行為をする権利です。これは、ストライキを行っても民法・刑法上の免責があるということです。

 最近は、日本の労働組合はこの三つ目、「団体行動権」をあまり使わなくなってきました。つまり、ストライキをすることが少なくなってきました。

 なかまユニオンも、かつてストライキをしたことがあります。事業所閉鎖という非常事態にあたってストライキを決行し、事業所閉鎖を阻止したことがあるのです。しかし、日本全体でストライキが少なくなり、ストライキを知っている人が少なくなる中で、なかまユニオンも最近はストライキをほとんどしていません。

 でも、現実にストライキをしないと問題の解決につながらない事ってあるよね? それが今回の定期大会で出された問題提起なのです。やるべき時にはストライキをできるように準備はしておこうね、ということです。

 なかまユニオンには、公務員の組合員もいます。日本の公務員は、法律によって団体行動権を奪われています。公務員の仲間からは、ストライキをしたくてもできない公務員はどう考えたらいいのか、という質問も出ました。

 私は、なかまユニオンとは別の労働組合の役員をしていた時に、ストライキをした経験があります。定期大会の場では、その経験を話させていただきました。

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 1992年4月28日、全労連全国一般大阪府本部小松病院労働組合は、午前8:30から午前9:30までの時限ストライキを行いました。もう27年も前の話です。当時の始業時間は午前8:50でしたから、業務時間に40分間食い込む形でのストライキだったのです。

 「もうかってるじゃないか、賃上げしてくれ!」「いーや、できない」「賃上げは切実な問題だ。賃上げ回答が無いならストライキをするかもしれないぞ!」「できるものならやってみろ」「交渉決裂だ!ほんまにストライキする!」 というような交渉を経て、例年の春闘ではしたことの無かったストライキを決行したのです。

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 病院という職場は、入院患者さんがいますから、完全に業務を止めてしまうことはできません。また、救急患者も来院するので、最低限の人数は業務稼働しておかないといけません。このような最低限の要員は「保安要員」と呼ばれ、管理職や労働組合員ではない労働者の中から選ばれました。

 ストライキをする以上、混乱をゼロにすることはできません。しかし、患者さんに恨みがあるわけではなく、良い医療を提供する体制を守るためのストライキでしたので、患者さんへの影響はできるだけ少なくなるように、あらかじめ手をうちました。

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 ストライキをする時は、始業時間よりも早く集合し、玄関前で集会を行います。そして始業時間が来てもそのまま集会を続行するのです。

集会をするわけですから、いろんな準備もあります。職場の組合員だけではうまくいかないので、上部団体の仲間も手伝いにきてくれました。

 終了時間が来ると、ストライキの終結を宣言し、仕事を開始するべく職場にもどりました。大きな混乱は無く、整然としたストライキでした。

 このストライキを行ったことで、経営サイドとの交渉も進展し賃上げを勝ち取ることができたのです。

 私たちは、このような労働組合の先輩方の経験に学びながら、新たな時代に応じたユニオン活動を進めていこうと考えています。

 全労連全国一般労働組合の皆様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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ビタミンU・Kさんを偲ぶ会が行われました。

 ビタミンU(なかまユニオン若者支部)の支部長、Kさんが、2018年12月に病気のため亡くなりました。5月26日、Kさんを偲ぶ会を、なかまユニオン・ビタミンU主催で行いました。

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 Kさんは職場のパワハラ問題の解決のために、2011年になかまユニオンに加入しました。パワハラによって勤務できなくなり、そのまま解雇されてしまったのです。

 苦しい日々でした。

 なかまユニオンと最強弁護団による奮闘で、パワハラによる精神疾患は労災として認定され、解雇事件の裁判も解決することができました。

 Kさんは2012年のビタミンU結成に関わり、支部長を務めてきました。

 また、韓国の労働組合との交流にも尽力しました。

 偲ぶ会には、なかまユニオンの組合員だけではなく、ご家族の皆さんや、パワハラ解雇裁判を闘った弁護士、韓国の仲間の皆さんも参加しました。

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 なかまユニオン恒例の手作り料理。今回は美味しいサンドイッチでした。

 突然、若くして亡くなってしまったKさん。組合員の中でも、どう受けとめていいか苦しんでいる人もたくさんいます。みんなで思い出を語り合っていると、それぞれに新しい発見もあり、少しづつ気持ちが整理されていったようです。

 Kさんといっしょにすごした時間を胸に抱きながら、長く生きていきたいです。

 

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なかまユニオン2019旗開き・10年で10倍って、夢が壮大

 1月20日、なかまユニオン2019年旗開きが大阪市内で行われました。

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 「旗開き」とは、早い話が新年会のこと。

 なかまユニオンは、手作り料理が名物です。執行委員の料理長のもとで、みんなが分担して料理を作って持ち寄ります。私は、カナッペにオイルサーディンやツナマヨネーズを盛り付けるところを担当しました。ジャガイモの量が多かったのか、ポテトサラダはエベレストのように大きくそびえたっています。

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 井手窪委員長からあいさつ。12月のユニオン結成20周年集会で脇田滋先生から激励されたように、「今後10年間で10倍の数の組合員のユニオンにしよう」という、壮大な夢のあふれるお話でした。

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 そんなお話を聞いているうちに、インド米が炊き上がりました。インドのベンガルのカレー3種の相がけカレーのできあがりです。カルダモンが香る豆カリー、キーマカリー、カリフラワーカリーの3種です。パクチーをのせていただきます。うまー。

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 先日、勝利判決が出たばかりの、大阪市営地下鉄「ひげ裁判」の報告もありました。「大阪市職員はひげをはやしてはいけない」と、維新の会の市長が決めたばっかりに、おしゃれなひげの地下鉄運転手までもが懲戒処分にされてしまったのです。

 維新の会は、ひげを禁止することが改革になるんだと思ったんでしょうね。しかし裁判官は、「公務員にもひげをはやす自由がある」ことを認めました。

 ほんまに、おしゃれなひげなんですよ。業務に何の支障もありません。これが何故、懲戒の対象になるのか、だれでも不思議に思います。労働者の自由を奪うことばかり考える連中には、よく反省していただきたいものです。

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 旗開き恒例川柳大会。参加者がその場で川柳を書きます。ユニオン顧問が優秀作を4つ選びました。

 そのほかにも、組合員から職場の報告あり、歌あり、楽しい旗開きでした。

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 関係ありませんが、本日1月21日は、満月の日に月が地球に接近する「スーパームーン」。大きく美しい満月が見えています。

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L.I.A労働組合・直接雇用の存在を認めるように12/18裁判がありました

 12月18日、神戸地方裁判所で、L.I.A労働組合による東リ偽装請負事件の地位確認裁判が行われました。

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 「東リ」は、建物の内装を作る会社。L.I.Aは、「東リ」の業務請負をしていた会社です。

 L.I.Aの5人の労働者が解雇された事件です。調べてみると、実は「東リ」は偽装請負をしていたのです。

 偽装請負とは何のことでしょうか。

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 上の図を見てください。A社はB社に業務を委託し、B社は業務を請け負います。この場合、A社からB社の経営者に委託の依頼が行われ、B社の社員はB社の経営者の業務指示にもとづいて仕事をします。

 ところが、B社の作業場所がA社の内部であるような場合に、A社の経営陣からB社の社員に直接に業務命令が出てしまうようなことになる場合が、おうおうにしてあるのです。

 そんなことが続くと、次第にB社とA社とを隔てる壁が消えていき、B社はA社に吸収されていきます。

 実態としてB社がA社に吸収されてしまったような場合、もはやこの請負契約は法律上は「請負」とは言えなくなります。これを「偽装請負」というのです。

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 「東リ」がA社、L.I.AがB社です。L.I.Aの社員は、「東リ」の工場の中で「東リ」の社員と混ざって仕事をし、「東リ」の管理職から事細かな直接業務指示を受け、「東リ」の会社に直接報告書を提出していたのです。

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 このような場合、「労働契約申し込みみなし制度」というものが法律で定められており、当該の社員は「東リ」の直接雇用に自動的になってしまうのです。

 L.I.A労働組合は、「東リ」との直接雇用関係があることを早く会社が認めるように、裁判で綿密に立証をおこなっています。

 

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12/15なかまユニオン結成20周年記念講演会・新たな課題にGO!

 12月15日、なかまユニオン結成20周年記念講演会が大阪市内で開催されました。2018_12150114

 講演会では、中京大学教授の大内祐和先生にお話をしていただきました。

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 大内先生は、奨学金問題とブラックバイト問題に取り組んでいらっしゃいます。30年くらい前まで、奨学金というのは「育英会」というところが出していて、無利子が当たり前でした。1984年に育英会法が改悪され、「有利子枠」というのができました。それ以来、無利子枠は増えていないのに有利子枠は10倍にも増えたのです。

 大内先生によると、「奨学金」というのは外国では「給付」、つまり返済の必要が無いのが当たり前なのだそうです。

 英語で「奨学金」は「scholarship」ですが、これは奨学金給付のこと。返済が必要、なおかつ利子までつく日本の奨学金は英語なら「loan」と表現するしかなく、日本の「有利子奨学金」は、国際的には奨学金とは認められない制度なのです。OECD加盟国では、17か国ではそもそも授業料が無料だし、「有利子奨学金」なんていうものがあるのは日本だけなのです。

 「無利子奨学金」の枠が狭いおかげで、本来なら「無利子奨学金」をもらう資格のある人でも、「無利子奨学金」をもらうことができません。

 おかげで、奨学金の返済がいつまでたってもできなくて苦しいという人が、日本ではたくさんいるのです。これは、日本の将来にかかわる問題です。庶民の生活レベルにかかわるだけではなく、産業のレベルの水準にも影響します。国のありかたの問題です。

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 奨学金の返済がきついおかげで、在学中からバイトをするのが当たり前になっています。おかげで、「学生の学業を妨害してでもこきつかえばいい」という「ブラックバイト」が日本では問題になっているのです。

 労働基準法を無視してバイトを低賃金で働かせることもあるし、「バイトのシフトがきついせいで授業に出ることができない」、こんなことが当然になってきているのだそうです。これでは、何のための大学進学なのかわかりません。

 大内先生は、ブラックバイト対策弁護団や奨学金問題対策全国会議を結成して、困窮した被害者の相談と対策に奔走されています。

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 では、どうしたらいいのか。大内先生は、奨学金はすべて「給付型奨学金」にすべきだとおっしゃいます。

 では、その財源はどうしたらいいのか。

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 大内先生は、お金は有るところにはムチャクチャあることを指摘します。野村證券が出した純金融資産保有額のデータによれば、日本の富裕層122万世帯は、272兆円の金融資産を持っているのだそうです。

 人間は、どんなに無駄遣いをするにしても限界があります。使っても使い切れないくらいの資産が富裕層のところに眠っているのです。

 では、なぜこんな驚天動地の格差が発生してしまったのか。原因があるのです。

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 「日本の所得税は累進課税になっていて、収入が増えるほど税率が高くなる」、庶民は誰もがそう思ってますよね。ところが、実は所得が1億円を超えると、逆に税率が下がるのです。「所得税の減税」を安倍総理大臣は行いましたが、実はそういうことだったのです。

 こんなの知ってました?

 税金の制度がこうなっているおかげで、ある程度以上の高所得者のところには、自動的にお金がたまる仕組みになっているのです。

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 大企業の内部留保も膨大です。「内部留保」とは、企業の持っている資産から、借金とか将来支払わねばならない予定のものとかを全部差し引いても、それでも残っている資産のことです。400兆円もの金が、使い道が無くて眠っているのです。

 こう考えると、財源はいくらでもあるわけです。日本の税金の制度の基本設計を改革することで、財源を作ることができます。

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 大内先生は、奨学金を全て「給付型奨学金」にするのが基本だとしても、それだけでは足りないと感じていらっしゃいます。これまで奨学金をもらって高い利子の返済に困っている人が、莫大な数に上るからです。

 大内先生は、「奨学金債務の帳消し」も併せて求めていきたいとおっしゃいました。「もう、返さなくていいよ」ということにしようというわけです。つまり、過去にさかのぼって日本の奨学金制度を世界各国と同程度の水準にしましょうということなのです。

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 講演会のあとは、部屋を移してレセプションです。

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 オープニングは月桃の花歌舞団のエイサーです。エイサーは沖縄のお盆に踊る踊りで、祖先の霊を迎え、霊を送る時に踊ります。それは慰霊の意味合いを持ちます。沖縄の守り神である竜神を祀る聖なる海辺に汚い土砂が投げ込まれたという事件もあり、傷つけられた沖縄の心を伝えるかのように、大太鼓の音がズンッズンッと響きます。

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 ローストビーフ、煮豚、バンバンジーなど、なかまユニオン恒例の手作り料理も登場します。

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 映像作家のオ・ソヨンさんです。なかまユニオンは韓国の労働組合との交流を盛んにやってきました。企業のほうが国境を越えて展開している状況では、労働組合も国境を越えて連携する必要に迫られるからです。オ・ソヨンさんは、そんな交流を動画におさめ、ドキュメンタリー映画を作ってきました。

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 韓国の希望連帯労働組合のチェ・オス組織局長です。希望連帯労働組合では現在、携帯電話会社であるLGU+で、下請け労働者の正規職員化を求めて800人でストライキとハンストをしているとのことです。なかまユニオン結成20周年をお祝いするトロフィーをいただきました。

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 レセプション会場からのなかまユニオンへの質問コーナーで回答する井手窪委員長。

 「なかまユニオンでは世代交代は進んでいますか?」という鋭い質問も飛び出ました。若い世代の労働者の必要性に応えることができるような活動をしていこうということが、参加者みんなの問題意識になりました。

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 最後は、長年お世話になってきた労働法の専門家・脇田滋先生によるしめくくりのあいさつ。

 20年間の成果を引き継いで、さらに新たな課題にチャレンジしていこうという気持ちが盛り上がった、20周年講演会&レセプションでした。

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明亜興産不当解雇事件の裁判が堺の裁判所でありました

 本日12月6日、明亜興産不当解雇事件の裁判が大阪地裁堺支部で行われ、傍聴に行ってきました。

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 古い建物の解体を行っている松原市の明亜興産で発生した不当解雇事件。ぼったくりの水増し請求を新しく入った営業社員が「おかしい」と思ったことから事件は始まりました。

 「水増し請求なんてできません」と会社の指示を拒否したことから、まったく違う部署への配置転換となり、さらに解雇されたというのです。

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 今日の裁判では、裁判官の口調には会社側への不満がはっきりとにじみでていました。

 会社側が自らの正当性を主張したいのなら、しっかりとそれを証明する申し立てをしなければいけません。ところが、あやふやな申し立てに対して裁判官が質問をしても、ちゃんとした回答文書が出ないようなのです。

 できることなら和解にした方が良いと裁判官はお考えのようですが、会社の今の態度では、それも難しいように思いました。

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