名ばかり労組にはなりたくない

力のあるユニオン相談員を増やさなければ

 職場で困ったことがあったときに、一人でも加入できる地域ユニオンに相談して解決のきっかけをつかむ人はたくさんいます。しかし一方で、そんな時に地域ユニオンの相談員が適切に相談に応じることができなくて、あてがはずれたよという声を聞くことも多いのです。

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 「労働組合のオジサンに相談したら、話をちゃんと聞いてくれないどころか逆に説教されただけで終わっちゃったよ。」 こんなケースが残念ながら時々あるようです。

 これは、正社員だけの労働組合活動を40年も前にやっていたオジサンがおちいりやすいあやまちです。「労働組合のことならオレにまかせろ」と意気込んでユニオンの相談員をやっているのですが、実は最近の労働者派遣法の知識すらまったく無く、非正規があたりまえになっている複雑な職場状況を理解していないのです。

 それで丁寧に話を聞くのならまだましなのですが、不勉強なわりに「オレはわかってる」という思い込みだけは人一倍なので、ろくに話を聞きもせずに「今時の若いもんはダメだな。オレの若いころはな。」と説教を始めてしまうのです。

 これでは問題の解決にならないどころか、逆に相談に来た人を傷つけてしまうおそれすらあります。

 ユニオンの相談員には、労働基準法や労働組合法に加えて派遣労働法や労災保険法など数多くの労働法制についての最新の知識が必要になります。また、職場で傷ついた労働者の心を適切にケアしながら問題点をつかみだすコミュニケーション技術も必要です。たえず勉強を重ねることなしには、ユニオンの相談員はつとまりません。

 東京東部労組のように、相談員を養成するセミナーを何回も開催して集団的に相談員の力量のアップをはかっているようなところでは、力のある相談員がたくさんいて安心できます。

 しかし、そのような取り組みは日本全国のユニオンを見ても、まだまだ少ないのが現状なのです。なかまユニオンも、相談員の養成という点ではまだまだ遅れをとっています。

 あと一ヵ月半で消費税は8%に値上がりしますが、それを目前にして商店街の小さな商店がどんどんつぶれていきます。TPPも含めてアベノミクスによる日本経済の破綻は目の前に来ています。労働者の生活と人権はますます脅かされていきます。そんな時に、地域ユニオンが相談に来た労働者に適切な応対をできないようでは、この世は真っ暗闇です。

 力のある相談員をいかに増やすか、私たちはこれに真剣に取り組むべき時にきているようです。

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