長時間労働は体に毒です

全国医師ユニオンが医師の働き方改革に関する声明を発表

 9月4日、全国医師ユニオン、東京過労死を考える家族の会、過労死弁護団全国連絡会議は、医師の働き方改革に関する3団体連名の声明を発表しました 。

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 声明は、現在安倍政権が政府が進めている「働き方改革」の問題点を厳しく指摘しました。

 そして医師の労働条件の過酷さを強調し、改善を訴えました。「新たな医師の過労死の労災認定が出るなど犠牲者が後を絶たず、医師の過重労働を規制することは緊急焦眉の課題だ。早急な医師の労働条件改善を求める」と強く要望しました。

 医師には「応召義務」と言って、患者が「診察してくれ」と言ったら、たとえ深夜でも、どんなに疲れていても応じなければならないという義務が、医師法によって課せられています。

 この「応召義務」は、医師個人に課せられたものなので、医療機関が集団で対処すればよいという考え方ではないのです。個人が無理をしなければならないという義務なのです。

 まじめな医師ほど、この応召義務を真剣にとらえて、無理をしてしまいます。それが、医師の過労死につながっているのです。

 「応召義務」を医師個人が担うことを止め、国の医療体制総体の義務へと改革すべきなのです。

 また、「残業時間は一か月に100時間未満」などという政府の方針は、明らかにおかしいですよね。100時間は過労死ライン80時間をはるかに超えています。これが安全だというラインではありません。私たちは、厚生労働省の基準に基づいて、残業時間は一か月に60時間程度を上限にするべきだと考えます。

 私たちは、医師も看護師も事務職員も含めて、医療に携わる者が健康を守りつつ働き続けられる、持続可能な体制を作ることを求めます。人の命を救う医療の仕事はやりがいはあるけど、自分が死んだら何のことかわかりません。働きすぎて死ぬなんて、まっぴらごめんです。

 以下、声明の全文です。

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医師の働き方改革に関する声明

 現在、働き方改革が大きな社会的な焦点となっている。政府は、働き方改革として罰則付きの残業時間規制を行うとしているが、医師に関しては、時間外労働規制の対象とするものの、改正法の施行期日の5年後をめどに規制を適用することとし、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等についても検討し結論を得るとしている。8月2日に第1回の検討会が開催され、今後議論が進むものと思われる。一方、新たな医師の過労死の労災認定が出るなど犠牲者が後を絶たず、医師の過重労働を規制することは緊急焦眉の課題である。

 私たちは、これらの点に鑑み、政府が進める働き方改革の問題点を指摘するとともに、政府や使用者に対し、以下のとおり、早急な医師の労働条件改善を求めるものである。

  1. 政府の進める働き方改革の問題点 
    • 「100時間未満」との上限設定は、厚生労働省が策定している「過労死ライン」(月80時間の時間外労働)を容認することになり、また、労働時間の短縮に努力している使用者の取り組みに逆行している。
    • 医師の深刻な過重労働が社会問題となっているにもかかわらず、5年にもわたり、医師に対して規制の対象から外すのは医師の命と健康に深刻な影響を与え、かつ、医療事故の原因となる。
  2. 考慮すべき重要事項 
    • 医師も人間であり、他の職種の労働者と同様、過重労働に耐えられるものではない。そして、人の命に直接的にかかわり責任が重くミスが許されないなど過度の緊張を求められており、ストレスの高い職業である。したがって、通常の労働者以上に健康障害に陥りやすいことを熟慮する必要がある。
    • 医師の健康障害は、医療の質の低下や医療安全を脅かすのみならず、患者への説明責任等にも悪影響を及ぼすことを考慮する必要がある。
    • 今回の働き方改革案では、深夜の交代制勤務の過重性を考慮した労働時間の視点が欠落している。医師の当直時に30時間を超える連続労働となることは、命に関わる職業として絶対に避けるべきである。
    • 厚労省はトラック運転手の拘束時間に関して改善基準告示を策定し、一日の拘束の上限は原則13時間(例外16時間)としているが、医師に関しては、かかる行政上の規制がない。
    • 国際的にみれば、我が国では医師不足を長時間労働で補っている。この現実を真摯に受け止め、改善策を作成すべきである。
    • 医師法19条の応招義務は戦前以来の前近代的な内容であり医師が疲れていても診療に従事すべきと解釈されており、医師の過重労働を助長するものとなっている。政府案は、この応招義務を理由として医師の長時間労働を固定化しようとするものであり、本末転倒である。応招義務は廃止ないしは改正すべきである。
  3. 早急な医師の労働条件改善について 
    • まずは現行の労基法遵守を徹底し、一刻も早く労働環境の改善を進める必要がある。とりわけ以下の点に関してはすぐに改善すべきである。
      • 使用者が医師の労働時間管理を適正に行うこと。
         現状は、この管理が極めてずさんであり、単なる自己申告のみにもとづくところが多い。この間の医師の過労死労災認定では、使用者側が主張する時間外労働時間と労基署が認定した時間外労働時間との間に大きな乖離が認められる。さらに医師の年俸制に関する最高裁判決によっても労働時間管理の間題点が指摘されている。
         医師の労働時間を客観的資料に基づき適正に管理すること、及びそれに基づき割増賃金を含む残業代の支払いを正確に行うことが大切である。この適正な賃金支払を徹底することにより、使用者が経営・財政面からも長時間労働を減らすことの必要性に迫られる。
      • 研修医に対する適正な処遇を行うこと。
         研修医について、医師としての労働を行っている時間帯にもかかわらず「自己研鑽」との名目で労働時間に算入しない傾向があるが、これは研修医の労働者性を否定するものであり、最高裁判決にも違反している。
         また、使用者は、研修医に対して、その健康管理のために、また、医療安全のためにも、労働時間管理をしっかりと行う必要がある。
      • 「過労死ライン」を超える長時間労働を速やかに改善すること。
         この間の医師労働に関する調査などから、「過労死ライン」を超えた勤務、ならびに1カ月間を超えて全く休日のない勤務の常態化が明らかになっている。長時間労働の是正、休日の確保について、速やかに改善する必要がある。
      • 医師の健康管理を厳格に行うこと。
         適正な労働時間管理の下で月80時間を超える時間外労働を行った医師に関しては、必ず産業医の面接を行うことが求められる。
         医師の過労死には、脳・心臓疾患による突然死も少なくないが、最近の特徴として、精神疾患を発病した後の自死が多い。現状ではうつ病等の精神疾患を抱えながら診療を行っている医師も少なくない。
         したがって、労働時間の削減とともに、早い時期からの精神科等への受診を促進する環境を整えるべきである。

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東京オリンピックの工事のために新人労働者が過労自殺

 新国立競技場建設現場で働いていた23歳の男性が、今年の3月に過労自殺しました。若い命が失われたことを考えると、なんともいたましいことです。

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 2016年3月に建設会社に入職したこの男性は、入社わずか1年で過労自殺してしまったのです。長時間残業によって精神疾患が発症したものとして、遺族は労災申請を行っています。
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 大成建設が請け負った新国立競技場建設工事の一次下請けとして、地盤改良工事にあたっていたこの会社。そこで工程管理の責任者をまかされたのです。入職1年で大工事の工程管理って、無理があるのではないですか。

 一か月の残業時間が200時間を越えていたというのです。自殺する直前には、一か月に3回も徹夜勤務があったといいます。

 遺族の証言では、亡くなる直前に「重機が予定通りそろわず、工事が遅れている」と言っていたとのことです。相談できる職場の同期や先輩がおらず、孤立していたといいます。

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 工事現場で働いていた作業員の証言では、「尋常じゃない過酷な現場」だったそうです。工事の予定が一日のうちにころころ変わり、作業がいつまでたっても終わらないというのです。

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 この新国立競技場、2020年の東京オリンピックを行うために建設が進んでいます。新国立競技場と言えば、設計図問題が記憶に新しいですよね。

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 新国立競技場の設計案として、いったんは世界的に有名な建築家ザハ氏の案が正式決定したのです。ところが、これが2500億円かかる案であることが判明し、大問題になりました。2012年ロンドンオリンピックの競技場の4倍という高額だったからです。

 2500億円って、東京スカイツリーが4本建ってしまう値段です。いくらなんでも、それは高すぎます。また、ザハ氏の前衛的デザインが「下品だ」という声も出ました。とにかく、いったん決定したザハ氏の案は撤回となり、価格を抑えた案で設計やり直しとなったのです。

 おかげで、工期が大きくずれこみ、工事を担当する現場にしわよせが来ているのです。その結果が、現場責任者が過労自殺するという恐ろしい事件でした。

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 東京オリンピックでぼろもうけをしてやろうと狙って大喜びしている政治家連中は、いい気になってはしゃいでいます。しかし、たった二週間で終わるオリンピックのために、労働者が死ななければならないものなのでしょうか。

 無能な権力者のくそじじい達が無茶な命令をし、中間管理職どもは知らぬ存ぜぬで責任をとらず、その結果若者たちが死んでいくのです。やってられないですよね。労災申請が認められることを願います。また、建設業では残業時間の上限規制が無いのですが、このこと自体を改めるべきだと思います。

(なお、犠牲になった男性を雇用していた企業名は、遺族の御希望によって伏せられています)

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プレミアムフライデーが定着? 読売新聞=虚構新聞?

 6月27日の読売新聞に、「プレミアムフライデー定着の兆し」という記事が大々的に掲載され、みんなが驚いています。

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 プレミアムフライデーというのは、毎月最終金曜日は午後3時に仕事を切り上げるという取り組みです。政府の働き方改革の中で出てきた方針です。

 読売新聞の記事によれば、「3人に1人がプレミアムフライデーに参加」とあります。全国の労働者の3人に1人が、最終金曜日に早く仕事を切り上げることができたという意味にとれます。

 私たちの職場には、プレミアムフライデーはありません。それどころか、年間365日稼働という掛け声が高まり、仕事の時間はどんどん長くなっているのです。しかも、残業をつけてはいけないという圧力が高まり、サービス残業が増えているのです。プレミアムフライデーどころではありません。次のプレミアムフライデーである6月30日も、3時どころか定時で帰れる保証もまったくありません。

 身の周りの他の企業でも、プレミアムフライデーを実施したという話はまったく聞きません。

 だから、「この記事、ほんまかよ??」と、多くの人が騒いでいるのです。

 問題の記事、よくよく読んでみると「プレミアムフライデーで早く帰れたのが3人に1人」とはどこにも書いてないのです。「早く帰れなかった人も含めて、特別の過ごし方をした人が3人に1人」ということのようです。

 「特別の過ごし方」などという主観的であいまいな基準で、プレミアムフライデーが世間に定着したかどうかを測っていいのでしょうか。

 しかも、この記事、よく見ると普通の記事では無く、経産省の広告記事なのです。経産省は、よくもこんなウソの記事を書いたものだと思います。掲載を許可した読売新聞も、いかがなものかと思います。最近の読売新聞には疑問符が多いですよね。

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 そして、なんとあの「虚構新聞」にも全く同じ記事が掲載されたのです。

 ウソの記事しか書かないのが虚構新聞です。虚構新聞の内容は100%ジョークです。

 まさか、読売新聞と虚構新聞とが同じ記事をのせる時代がやってくるとは、思いませんでした。どうなっちゃうんだ、日本。

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月100時間残業OK? ふざけるな!経団連前に集まろう

 月100時間残業OK?ふざけるな!経団連前緊急抗議行動のお知らせ。

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明日、3月7日、19時。東京メトロ大手町駅の近くの経団連前です。

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 政府の進める「働き方改革」の中で、残業時間の上限規制が問題になっています。ところが、政府はこの問題の解決を経団連と連合との交渉によって決めてくれという態度になってきているのです。政治指導力の無さを丸出しにした感じです。

 なんと、この中で、経団連の榊原会長は、「一か月に100時間の残業は許可する」という法律を作ろうと主張しています。

 とんでもない話です。100時間の残業は過労死ラインです。こんな法律を作ることが、働き方改革なのでしょうか。過労死は減るどころか、合法化されてしまうのです。

 労働者の命を、なんだと思ってるのでしょうか。死ぬほど働かされている労働者の怒りと苦しみが、まだわからないのでしょうか。

 わからないと言うのなら、わからせてやりましょう。

 経団連に、怒りの声をぶつけましょう。

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電通の高橋まつりさんの過労自殺から一年

 本日12月25日、電通で働いていた高橋まつりさん(当時24歳)が亡くなってちょうど一年がたちました。

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 高橋まつりさんは、2015年の春に広告最大手の大企業、電通に入職しました。ところが、ものすごい長時間労働に苦しみ、残業が100時間を超えた時もあったといいます。これだけ残業すると、一日の睡眠時間が2時間とかになってしまうのです。これでは肉体も精神も変調をきたし、おかしくなってしまいます。

 2016年12月25日、高橋まつりさんは職員寮から身を投げて自殺してしまいました。本当にいたましいことです。

 その後の調べの中で、電通という企業が、恒常的に労働者を長時間労働させていたことがわかりました。深夜まで働くのがあたりまえになっていたのです。

 逃げ出せばよかったんだ、そう言う人もいます。なぜ、そんなブラック企業から逃げ出すことができなかったのか。その謎を解くカギは、電通の「鬼十則」にあります。

 これは電通の社員が守らなければならない行動規範の社訓ですが、「殺されても離すな」などという人命軽視の恐ろしい言葉がちりばめられています。まったく、笑ってしまうようなバカな内容なのですが、社会人の経験の浅い新入職員は、これを真に受けてしまうのです。

 そして、笑ってばかりはいられない話。見てください。なんと、私たちの働く小松病院の事務所の壁にも、この「鬼十則」が貼ってあるのです。

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 「鬼十則」は、労働者が自分で自分に呪いをかけ、正常な判断力を奪ってしまうような恐ろしい呪文です。それは、日本の企業のあちこちに浸透し、パワハラや過労死や過労自殺を引き起こす危険な役割を果たしています。

 「鬼十則」という悪魔の呪いをかけられた日本中の労働者が、呪縛を断ち切り、生きていく力を回復することが必要です。

 私たちは、高橋まつりさんのご冥福を心からお祈りします。決して繰り返してはいけません。私たちは、私たちの職場で、パワハラや過労死や過労自殺を無くすように努力していきます。

 高橋まつりさんのお母様が本日発表した手記を、転載させていただきます。

手記全文

まつりの命日を迎えました。去年の12月25日クリスマス・イルミネーションできらきらしている東京の街を走って、警察署へ向かいました。嘘であってほしいと思いながら・・・。前日までは大好きな娘が暮らしている、大好きな東京でした。あの日から私の時は止まり、未来も希望も失われてしまいました。息をするのも苦しい毎日でした。朝目覚めたら全て夢であってほしいと、いまも思い続けています。

まつりは、あの日どんなに辛かったか。人生の最後の数か月がどんなに苦しかったか。まつりはずっと頑張ってきました。就職活動のエントリーシートの自己PRの欄に、「逆境に対するストレスに強い」と書いていました。自分が困難な境遇にあっても絶望せずあきらめないで生きてきたからです。

10歳の時に中学受験をすることを自分で決めた時から、夢に向かって努力し続けてきました。凡才の私には娘を手助けできることは少なく、周囲の沢山の人が娘を応援してくれました。娘は、地域格差・教育格差・所得格差に時にはくじけそうになりながらも努力を続け、大学を卒業し就職しました。

電通に入ってからも、期待に応えようと手を抜くことなく仕事を続けたのだと思います。その結果、正常な判断ができないほどに追い詰められたのでしょう。あの時私が会社を辞めるようにもっと強く言えば良かった。母親なのにどうして娘を助けられなかったのか。後悔しかありません。

私の本当の望みは娘が生きていてくれることです。まつりの死によって、世の中が大きく動いています。まつりの死が、日本の働き方を変えることに影響を与えているとしたら、まつりの24年間の生涯が日本を揺るがしたとしたら、それは、まつり自身の力かもしれないと思います。でも、まつりは、生きて社会に貢献できることを目指していたのです。そう思うと悲しくて悔しくてなりません。

人は、自分や家族の幸せのために、働いているのだと思います。仕事のために不幸になったり、命を落とすことはあってはなりません。まつりは、毎晩遅くまで皆が働いている職場の異常さを指して、「会社の深夜の仕事が、東京の夜景をつくっている」と話していました。

まつりの死は長時間労働が原因であると認定された後になって、会社は、夜10時以降消灯をしているとのことですが、決して見せかけではなく、本当の改革、労働環境の改革を実行してもらいたいと思います。形のうえで制度をつくっても、人間の心が変わらなければ改革は実行できません。

会社の役員や管理職の方々は、まつりの死に対して、心から反省をして、二度と犠牲者が出ないよう、決意していただきたいと思います。そして社員全ての人が、伝統を重んじることに囚われることなく、改善に向かって欲しいと思います。日本の働く人全ての人の意識が変わって欲しいと思います。

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退職前の有給休暇の買取は認められないのか

 次のような問い合わせをいただきました。

 退職前に有給休暇をもらいたいと申請したら、人手不足だから無理だと言われました。有給休暇を買い取ってもらうことはできないのでしょうか。

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 日本の労働者は、有給休暇をなかなかとることができません。有給休暇の取得率は、厚生労働省の統計でも47%程度で、半分にも達していないのです。これは大企業中心の数字で、実際はもっと低いはずです。中小零細企業はそもそも厚生労働省の統計にすら入ってきません。零細企業では「うちには有給休暇という制度はありません」などと社長が公言することすら珍しくないのが実態なのです。

 有給休暇は労働基準法で定められた全国共通の制度です。「有給休暇という制度が無い」会社などは、日本に存在しません。有給休暇が無いなどと平気で言う会社は日本から出て行ってもらってけっこうです。有給休暇を取ることは、日本の労働者なら誰にでも認められた共通の権利なのです。

 労働者が「有給休暇を取りたい」と申請した場合、企業はこれを拒むことができません。ただ、企業側には「有給休暇の時期変更権」というものがあって、「その日はどうしても都合が悪いから、この日に変えてくれ」と有給休暇の日の変更を指定することはできるのです。

 退職届を出した人が退職前に有給休暇を取るのは、当たり前のことです。そして、その場合は有給休暇の日をあとにずらすことができませんよね。ですから、会社は退職前の有給休暇の取得を拒むことは本来はできないのです。

 ただ、現実には仕事が忙しかったり人員不足だったりして、退職前に有給休暇をすべて取得できないことは残念ながらあり得ます。そういう場合は、会社側が有給休暇の買取をするのは、ある意味で当然のことなのです。と言うか、会社側が労働者に対して土下座して、「有給休暇を取らせることができなくて申し訳ないから買取させてください」と泣いて謝るのが筋なのです。

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 ここで気を付けておかなければならないのは、「取得できなかった有給休暇は買取する」とあらかじめ決めておくことは難しいということです。労働基準法では、あくまでも有給休暇は労働者の申請通りに取得できるのが当然だとされているので、買取はあくまでも例外的な措置だからです。

 例外的な措置とは言っても、退職前の有給休暇の買取は認められていることですので、会社に要求することはOKです。

 ただ、労働基準法をよく知らない管理職と個人的に話をしていてもらちがあかないことも多いのです。「買取するなんてどこにも書いてないから」などと融通の利かない答弁に終始して、うんざりするはめになります。そういう時は、個人加盟の地域ユニオンに相談するのが解決の近道だと思いますよ。

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労働時間は週に40時間までです

 次のような質問をいただきました。

 労働時間は一週間に40時間までと決まっているって本当ですか。うちは土曜日も仕事で、どう考えても40時間より長いんですが。

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 長時間労働は健康に悪いので、労働基準法で労働時間の上限が決められています。1日に8時間、1週間に40時間が上限です。これを法定労働時間といいます。

 もし、朝の9時から夕方の6時までが勤務時間で、お昼休憩が1時間あるという場合、1日の労働時間は8時間になります。これだと、月曜日から金曜日まで5日間働けばその週の労働時間は40時間に達します。ですから、1日に8時間働く職場というのは、週休二日制の職場のはずです。

 朝の9時から夕方の5時までが勤務時間で、お昼休憩が1時間の場合、1日の労働時間は7時間です。こういう職場では土曜日を半日にして、40時間を超えないようにしているはずです。

  労働者の数が10人より少ないような小規模な商店などでは、例外的に1週間に44時間まで延長することが許されています。

 何かの都合で1週間の労働時間が40時間を超えてしまう場合、超過勤務になります。緊急の災害時を除いては、超過勤務は事前に労働者と使用者が協定を結んでおかなければ行なうことができません。この協定を「36協定(サブロク協定)」と呼びます。

 特に理由が無いのに、毎週40時間を超えてしまうような職場は、問題ありです。会社は、できるだけ超過勤務をしなくても業務がまわるようにしなくてはいけません。人員を増やすとか、業務の効率化をはかるとか、会社は何らかの手をうたなければなりません。

 もう定時を過ぎて、早く仕事を終わって帰りたいと思っているのに、おかまい無しで思いついたように仕事を言いつけてくる管理職がいますが、あれはやめてほしいですよね。いくら36協定があると言っても、本来は業務時間内に仕事が終わるように采配をするのが管理職の品格だし腕の見せ所だと思います。

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一週間の労働時間は40時間が上限です

 次のような声を聞きました。

 私の会社は、一日の勤務時間が8時間です。土曜日も半日ではなくて、8時間です。仕事はやりがいがあるので、苦にならなかったのです。でも、最近おかしいなと思うようになってきました。

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 一週間の労働時間は、40時間が上限です。40時間以上、労働者を働かせることは労働基準法で禁止されています。

 毎日8時間ずつ働けば、五日間で40時間に達してしまいます。とすると、土曜日は休みにしなければいけません。つまり、週休二日にしなければいけません。

 もし、毎日8時間ずつ働いて、しかも週休二日でないとしたら、会社は週に40時間を超過した分については25%の割増賃金を支払う義務があります。

 若いうちは長時間労働もあまり苦にならないかもしれませんが、よく考えたら仕事だけが人生ではありませんよね。家族のこと、地域のこと、人間はいろいろな役割を持っているはず。仕事だけにぬりつぶされたような働き方では、長続きしませんよ。

 会社には、ちゃんと労働基準法を守ってもらいましょうね。

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一ヶ月に三日間しか休日がないのは違法です

 次のような質問をいただきました。

 私の会社では休みが少なくて、一ヶ月に3回しか休みが無いときもあります。仕事は毎日、休憩時間を引いても8時間は働いています。これっておかしいですか。

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 それは、どう考えてもおかしいです。働きすぎは体をこわしますよ。

 労働基準法では、「法定労働時間」と言って労働時間の上限が定められています。まず、1日の労働時間は8時間までです。休憩時間をのぞいて8時間が上限です。

 そして、一週間の労働時間は40時間までです。毎日8時間働けば、5日間で40時間に達してしまいますよね。月曜日から金曜日まで毎日8時間働いたのなら、それで40時間を超えるので、土曜日と日曜日は会社はその人を働かせてはいけないのです。

 さらに、労働基準法はこれとは別に、毎週1日は必ず休日をもうけなさいと会社に義務付けています。これを法定休日といいます。どうしても毎週規則正しく休みがとれない職場では、4週間で4日間でもいいのです。しかし、一ヶ月で3日間しか休みが無いというのは、どう考えても労働基準法違反です。

 職場に36協定があれば、この法定労働時間をこえて労働者を働かせることもできます。法定休日に働かせることもできます。とは言っても、一ヶ月で3日間しか休みがとれないなんていうひどい条件は、いくら36協定があっても許されないと考えられます。

 法定労働時間を超えて働いた分は、会社は割り増し賃金を支払う義務があります。

 1日8時間を超えたら、超えた分が25%増しの賃金です。また、一週間に40時間を超えたら、やはり25%増しの賃金です。月曜日から毎日8時間働き続けたら、金曜日で40時間に達するので、土曜日は朝から25%増しの賃金になります。

 さらに、続けて日曜日も出勤したのなら、その日は終日35%増しの賃金になります。法定休日に働いたら35%増しなのです。

 働きすぎは体に毒なので、いくら割増賃金をもらったからと言って喜べはしないのですが、すでに休みがとれない状況で働いてしまったのなら、せめて会社には法律で定められた割り増し賃金をきちんと支払っていただきたいものですね。

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業務時間外の研修会は残業代がつかないの?

 次のような問い合わせをいただきました。

 業務時間外で職場の研修会に参加させられるのですが、残業代をつけることが許されません。研修会は残業にならないのですか。

 これはよくある話ですね。サービス残業と呼ばれる無料労働=賃金不払いのケースです。

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 業務時間外の研修会が職場で行なわれる場合、それが労働の一環であれば、当然のことながら残業になります。労働の一環ではない「個人のお勉強」であれば、それは残業とは言えません。具体例をあげてみましょう。

 来月一日、業務終了後の五時半より、職場の会議室で、エクセル初級講座を行います。初心者むけにエクセルの基本の講習を行います。講習費は500円とたいへんお安くなっていますので、希望者はふるってご参加ください。

 こんな連絡が職場にまわってきたらどうでしょうか。もう一つの例をあげてみましょう。

 来月一日、業務終了後の五時半より、職場の会議室で、会社の次期コンピューターシステムの説明会を行います。来年度からはこのシステムが稼動するので、業務を行なう上で習熟しておく必要があります。正社員は必ず参加してください。参加できない人は、日をあらためて説明会を行いますので所属長に欠席する旨を報告してください。

 さあ、いかがでしょうか。

 の場合は、あきらかに残業とは言えませんね。エクセルを勉強することは、この会社で仕事をするうえでも役に立つとは思いますが、会社の仕事以外にも役に立つので、本人の利益が大きいですよね。参加するかどうかも本人の自由です。

 の場合は、あきらかに残業ですよね。会社の次期コンピューターシステムについて勉強することは、業務の一環です。そこで学んだことは、会社の仕事以外に個人的にいかすことはできません。また、正社員は全員参加することと定められているわけですから、超過勤務を行なうようにという命令を受けたのと同じことになるのです。

 ここから考えて、時間外の研修が残業になるかどうかの判定は、二つの判定基準があると言えます。

 一つめは、研修内容が会社の業務でしかいかせないような内容なのか、業務以外にも個人的にいかせる内容なのかということです。

 会社の業務でしかいかせないような内容の研修の場合、明示された業務命令が無くても、「研修に参加しなければ業務遂行できないんだから必ず参加しなさい。言わんでもわかるやろう!」という暗黙の指示による業務命令が存在すると考えられます。これは業務の一環であって、残業になるわけです。

 二つめは、業務命令による参加強制があるのか、自由参加なのかということです。業務命令による参加強制があれば、研修内容がどうであろうがそれは当然ながら残業になるわけです。

 ですから、業務時間外の研修会参加が残業にならないのは、内容が会社以外でも個人的にいかせるような内容であって、なおかつ有形無形の強制力が働かない自由参加である場合のみということになります。それ以外は業務の一環であって、残業として取り扱うべきですね。

 よく見かけるケースは、どう考えても業務の一環としか考えられない内容なのに、「これは君個人のためになる勉強だあ。だから残業じゃないんだよお。残業つけちゃダメだよお。」と言われる場合です。なんとか残業代の支払いをしないでおこうと、ゴマカシをしているとしか思えませんね。あー、ケチくさい。

 また、「参加は自由参加だよ。だから残業じゃないんだ。残業つけちゃダメだよ。それがいやなら参加しなくていいんだよ。」と言われるのですが、参加しないと陰で「あいつは参加しなかった。仕事をやる気がないんだ。ダメなやつだ。」と悪口を流されるという場合です。これは陰湿なパワーハラスメントですよね。卑怯です。

 冷静に考えてみればわかります。労働者に対してパワーハラスメントという汚い手を使って研修会への参加を強制するような会社が、業績を上げることができるはずがありませんよね。会社は、業務時間外の研修会には残業代を支払うべきです。賃金不払いは無銭飲食と同じで犯罪です。

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