日本基礎技術株式会社(大阪市北区)が本田福蔵(よしぞう)さんを試用期間中に不当解雇した事件で、本日大阪地方裁判所で口頭弁論が行われ、本田さん本人が解雇撤回を求めて裁判をおこした経過と思いを発言しました。
本田さんは2008年4月に日本基礎技術株式会社に新卒採用され、研修をうけました。そしていよいよ研修が終了して現場にはいるという話が出ていた7月の末、部長から呼び出され突然「会社を辞めてもらう」と言われたのでした。
部長は「見習い期間中は会社はいつでも自由に採用を取り消すことができる」「君が例えば警察沙汰になるとかになったほうが解雇はしやすかったのだが」などと発言しました。
辞める理由として見せられた研修状況報告書には、機械に八つ当たりして蹴っ飛ばしたとか、本人がまったく身の覚えの無いことが書かれていたのだそうです。
そしていやおう無しに解雇されてしまったのです。本田さんはなかまユニオンに加盟し、会社に申し入れを行いました。なかまユニオンは当然のことながら、「なんでクビにされなければならないんだ?」と追求しました。ところが、会社が示す「解雇理由」というのが、交渉を重ねるごとにコロコロと変わるのです。
どうも日本基礎技術という会社は、新卒採用の時に多めの人数をとりあえず採用しておいて、その中から「なんとなく」気にいらない人は研修期間中にクビにしてしまうということを、以前からくりかえしてきたようなのです。
本田さんは就職したときに、三つの会社からの内々定を断って日本基礎技術株式会社を選択したのです。自分の人生を決める大決断で入社したのです。会社は本田さんの人生をなんだと思ってるのでしょうか。試用期間中なら「なんとなく」解雇しても会社の自由だというような不真面目な態度は絶対に許せませんよね。
また、法律的にも、試用期間中とはいっても解雇するためにはそれ相応の理由が必要なのです。理由のはっきりしない解雇は「解雇権の乱用」と言って無効なのです。
本田さんはこの一年間、ご自身が解雇されて大変な時期であるにもかかわらず、私たちなかまユニオン小松病院分会にいろいろと力添えをしていただきました。ですから、私たちは本田さんが裁判に勝ち職場に戻れる日まで応援したいと思います。「試用期間だから」「派遣だから」「アルバイトだから」なんだかんだと理由をつけて将来有望な労働者を次々とクビにしていくような社会は、間違っていると思うのです。