新しい賃金制度へ

大阪の最低賃金が時給936円に・1500円にできる国家政策を!

 最低賃金が10月から引き上げられます。大阪では時給936円になります。時給27円の賃上げです。

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 今回の最低賃金引上げでは、もともと最低賃金が低かった地域で、厚労省の勧告(目安)以上の引き上げが行われました。

 例えば、大阪の隣の和歌山県です。厚労省の勧告(目安)では25円の引き上げでしたが、和歌山県はそれを上回る26円引き上げをして、803円を新しい最低賃金としました。

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 和歌山県と県境である大阪南部地域の病院で働く人に聞いた話です。和歌山県の北端に住み、大阪府南端の職場に県境の山を越えて通勤する、そういう人が多いのです。

 これは、大阪府と和歌山県との最低賃金が違い過ぎるせいで発生する現象なのです。和歌山県に住む人が、和歌山で就職せずに、県境を越えて大阪府で就職するわけです。和歌山県としては損失になっているわけで、そのあたりの事情から、和歌山県は厚労省勧告以上の最低賃金引き上げに踏み切ったというわけです。

 これだけ流通が発達し経済統合が進んだご時勢に、最低賃金の都道府県格差は確かに大きいように感じますね。

 ただ、本当の問題は、それでも最低賃金が全体的に安すぎるという問題なのです。

 現実には、最低賃金は1000円を超えないと生活できません。大都市部では、1500円あって始めて、ダブルジョブしなくても人間らしい生活ができるのです。

 私たちは、最低賃金を今すぐに1000円に値上げし、三年後までに1500円に値上げすることを求めます。

 「中小企業がつぶれちゃうじゃん!」と思ったあなた。あなたは鋭い!

 時給を1500円に上げても中小企業がつぶれないような政治をこそ、国が行うべきなのです。地方自治体には限界があります。そこが、カギです。

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その昇格は公正か? 下からの評価制度を

 なかまユニオン小松病院分会は、6月15日の分会ニュースで、管理職に対する下からの評価制度を求める声明を発表しました。

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 5月16日に、事務系を中心とする10人程度の昇格人事が行われました。不思議なことに、いつもとは違ってこの昇格人事は事前には公表されず、当日の辞令交付式もひっそりと執り行われました。また、引き続いて6月1日には医局を中心とする昇格人事が行われました。

 

もちろん、昇格された方の中には、誰が考えても妥当な昇格だと思われる方もいらっしゃいます。ところが一方で、「なんでこの人が昇格なのか?」と首をひねる声があちこちでささやかれたのも事実なのです。また、「この人が昇格だとしたら、こっちの人はなぜ昇格されないのか?」という慰問の声もありました。

 

日本人の性質なのか、多くの働いている人は、疑問をあまり声には出しません。しかし、この一か月で何人もの人が「私はもう次の所を探すよ」と言い始めました。このことが、みんなの心の中に渦巻く疑問と不信の大きさを物語っているのではないでしょうか。

 

何が昇格の基準なのか、本当に公正な判定がなされているのか、それが問題になっているのです。どんな役職にせよ、「この役職はこういう役割である」「この役職になる人はこういう資格を満たしてないといけない」という誰もが納得する公正な基準が公開されるべきなのです。

 

◆◇◆

 

働くみんなが納得できないと感じているのは、当然のことながら、昇格が賃金の増加を伴っているからです。例えば、ある人は昇格によって管理職手当の分が増え、7500円の賃上げになったといいます。これが、3年間にわたって定期昇給が凍結されている中で行われたことが不公平感を感じさせているのです。

 

2016年の春の定期昇給はありませんでした。2017年もありませんでした。そして、2018年も無いのだといいます。銀行団の許可がおりないからだということです。しかし、今年度は黒字基調になっています。みんながものすごく忙しく働いているからです。赤字だった昨年度までと同じように定期昇給を実施しないなんて、誰の理解も得られません。

 

定期昇給の凍結に不満が高まる真っ只中で行われた昇格人事。だから、なおのこと厳しい視線にさらされているのです。「あの人だけ賃金が上がった根拠を示せよ」ということです。

 

◆◇◆

 

あらためて言います。私たちは、昇格の基準・管理職の登用基準を公開することを求めます。

 

また、管理職に対する「下からの評価制度」を作ることを求めます。上司が部下を評価することはどこの企業でも行われています。では、その上司は誰が評価するのか、ということなのです。上司のそのまた上司が評価するのはそれで良いのです。しかし、上司の上司が評価をする上での材料として、「部下からの評価・下からの評価」を行い、その結果を重視すべきだということなのです。それが「下からの評価制度」です。このような「下からの評価制度」は、すでに多くの企業で採用されているのです。パワハラを防止し、公正な職場運営を実現するためには、「下からの評価制度」が不可欠です。

 

◆◇◆

 

 私たちは、すみやかな定期昇給の実施を求めています。時給910円では生活していけないのです。パート労働者の最低時給は、今すぐにでも1000円に引き上げられるべきです。いや、本当は、1500円くらいはないと充実した生活はしていけないのです。

 

 そして、抜本的な賃金制度の改革である「賃金革命」に、今すぐに取り掛からなければなりません。管理職に対する「下からの評価制度」も含めて、公正な賃金制度の体系を実現したいものです。

 

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毎年昇給あるって言ったでしょ。約束まもってください。

 寒い夜ふけの病棟、心電図モニターのピコーンピコーンという音が響いています。先輩の看護師さんと後輩の看護師さんとが、パソコン入力の手をちょっと止めて、何やら話しています。

先輩 あんた、月にいくらもらっるの?

後輩 〇〇万円です。

先輩 そんなもんかぁ。

後輩 だって、ここ入ってから一回も昇給ないんですよ。

先輩 そうやね。

後輩 この春も昇給ないんちゃうかって、言ってたし。そうなったら、もう私辞めます。

先輩 あんた、若いんやから、家から遠くても、よそを探した方がええかもよ。

後輩 ですよねぇ。

先輩 大きい病院は、もっときちんとしてるし、仕事はきついけど、勉強になるから。

後輩 ほんまですねぇ。

 二人は、またパソコンの画面に目をやり、今日の出来事の記録の入力を始めました。

 外は冷たい風。夜の寒さは、尽きることがないようです。

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 私たちは、2016年から定期昇給が凍結されていることを、ずっと我慢してきました。でも、我慢も限界に来ています。

 物価はどんどん上がるのに、賃金が上がらないって、どういうことですか。今、白菜がどんなに高いか、お鍋もでけへん。

 「春闘で賃上げ3%」って、ニュースでは財界の金持ちそうなおじさんが言ってたけど、それはごく一部の大企業の人だけの話でしょ。一般ピープルの賃金はね、ぜんぜん上がってないんですよ。

 仕事が楽になっていくんなら、賃金が上がらなくてもしかたないかって、思いますよ。でも、実際は逆。病院という職場は、仕事はどんどんきつくなっていくの。

 とにかく賃上げしてください。入職するときに、ここは毎年昇給があるって言ったでしょ。約束まもってください。

 そして、差別するの、やめてください。理屈がつかん差をつけたら、それは差別なんよ。パートは正社員より給料安くていいって、誰が決めたか知らんけど、昔から日本ではそうなってるんか知らんけど、ええかげんにしてください。

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大阪府最低賃金が909円に値上げ・10月より

 大阪府の最低賃金が、今年10月から909円に値上げになる見込みです。

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 これは、8月3日に大阪地方最低賃金審議会が出した答申です。大阪府労働局は、この答申をふまえ、8月18日まで各方面の意見を聞いて最低賃金引き上げを決定します。各方面の意見を聞くと言っても、最終的に909円を下回るということにはなりません。必ず909円以上に決まるものと思われます。

 現行の最低賃金は883円ですから、26円という大幅の値上げです。

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 しかし、909円でもまだまだ十分ではありません。現実には、時給1000円くらいは無いと生活していけないのです。私たちは、今すぐにでも最低賃金を1000円に引き上げることを求めています。

 本来的には、時給1500円が、無理せずに生活していくための最低ラインです。1500円を下回ると、ダブルジョブをしたりして無理のある生活設計をする必要性が出てきてしまうのです。

 さて、私たちの働く医療法人協仁会小松病院の最低時給は900円です。私たちは、今年の春からこれを1000円に引き上げることを要求してきました。

 大阪府最低賃金の引き上げによって、職場の最低時給は見直しを迫られるわけで、これを機に職場内最低時給を1000円に引き上げてほしいものだと思います。

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小松病院分会が団体交渉を実施

 4月21日、なかまユニオン小松病院分会は、医療法人協仁会と団体交渉を行いました。

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 今年の春の常勤職員の定期昇給については、実施できる環境に無いという回答でした。

 パート労働者の11%の賃上げも求めましたが、これも実施できないとのことでした。

 アベノミクスのせいで全国の病院の半分が赤字経営であるという深刻な医療情勢のもとではありますが、たいへん残念な回答でした。法人側からは経営状態について丁寧な説明があり、昨年から経営改善を実行してきたことがなんとか効を奏してきたが、もう少しは気を抜くことができないとのことでした。今年度には大きく経営が改善する見込みがあるとのことでした。

 昇給はOKになりませんでしたが、夏の一時金は出せるように検討しているという回答を得ることができました。

 また、今年中には大阪府の最低賃金が協仁会の最低時給を追い越す可能性があることも指摘しておきました。

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 私たちは、同一価値労働同一賃金(EPEV)に基づく賃金革命を要求しています。今回の団体交渉で、賃金制度の改革が必要だという点では、法人側と一致をみることができました。

 しかし、新しい賃金制度の内容については法人側から具体的な案は示されず、EPEVが実現するかどうかについては今後の協議に持ち越されました。

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 公正・公平な職場運営についても要求し、話し合いました。この問題には、「何をもって公正とするのか」、「どういう物差しで公平を測るのか」という問題があります。

 私たちは、EPEVの考え方に基づいて、客観的な職務評価を物差しにすることを求めています。管理職が主観的な思い込みで職場運営をすれば、管理職本人が良かれと思っていることでも、裏目に出てしまうことはいくらでもあります。大切なのは、誰もが納得できる基準です。

 実際に、いくつもの問題が発生しています。あまりにも深刻な問題については、法人としても個別に対策を行っていくとのことでした。

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 団体交渉を行ったことで、日ごろ思っていることをはっきりと口に出し、日ごろは質問する機会が無いことも聞くことができました。問題となっている事態の改善につながった手ごたえもあります。

 私たちは、賃金革命で公正な職場が実現するよう、これからも交渉を続けていきます。

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キラキラ訴えます! 定期昇給してね!

 4月になりました。桜も咲き始めています。しかし、私たちの働く病院では、4月1日の今年のエイプリルフールは、「私、今度の人事異動で理事長になるのよ」なんていう、寒くなるような冗談も聞かれました。

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 新入職員も入ってきて、ちょっと初初しい感じです。41名という前代未聞の大盤振る舞いの昇格人事も発表され、まことにめでたいことです。

 ギガめでたいッ!

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 しかし、めでたいとばかりも言ってられません。大赤字のせいで今年も定期昇給が無いかもしれないからです。昨年に続いて2年連続で定期昇給が無いとなれば、たいへんなことになります。くたくたに働いてるのに、昇給無しでは、心が折れてしまいます。

 私たちは、虹色キラキラポスターで、「定期昇給してね!」と訴えています。

 ちなみに、虹色キラキラポスターは、ジャニーズの熱烈ファン用に100均で売ってるキラキラシールをカッターナイフで切りぬいて作った、手作りの力作です。

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 そして、重要なことは賃金革命です。正社員とパートの差別を根本的に無くすために、EPEV(同一価値労働同一賃金)の原則に基づく賃金革命を行う必要があるのです。安い賃金に抑えられている青年労働者やパート労働者の賃上げが、切実な課題です。

 なかまユニオン小松病院分会は、職場の仲間とわいわい議論しながら、賃金革命を進めていきます。公正・公平にしろよなッ!!!

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[分会ニュース]2017年・春の要求 賃上げを!賃金革命を!

 小松病院の玄関前の早咲きの桜がいち早く咲きました。春です。なかまユニオン小松病院分会の2017年春の6項目の要求についての分会ニュース最新号を公開します。

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2017年・春の要求

賃上げを!賃金革命を!

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 なかまユニオン小松病院分会は3月13日に、6項目の要求書を協仁会理事長に提出しました。

 昨年4月の定期昇給が見送られて1年、様々な経営改善の努力が行われ、労働者も身を粉にして働いてきました。2年連続の定期昇給無しは、ガマンできません。優秀な人材の流出も招きかねません。2017年の定期昇給は無条件に実施されるべきです。

 また、パート労働者の最低時給は今は900円ですが、世間相場の推移を考えて1000円に引き上げるべきです。そのために、パート労働者全員の時給を11%上げることを、私たちは要求します。

 そして、賃金革命に取り組むべき時がやってきています。賃金革命とは、抜本的な賃金体系の変革です。常勤とパートとの差別待遇を廃絶し、職務価値に基づく公正な賃金体系を実現するべきです。

 賃金革命で公正な職場を作るため、なかまユニオンは提案し、交渉し、行動します。

2017年春・なかまユニオン6項目の要求

 

2017年は定期昇給とパートの大幅賃上げを実施せよ!

 

 

常勤職員の給与について、2017年4月の定期昇給を無条件で実施すること

 

 

パート職員の給与について、2017年4月より一律11%の賃上げを行い、最低時給を1000円とすること。

 

 

 

2018年までに賃金革命で公正な賃金を実施せよ!

 

2018年4月をめどに、新しい賃金制度に移行すること。新しい賃金制度は、同一価値労働同一賃金(EPEV)の原則に基づき、常勤とパートとの差別を全面的に撤廃するものであること。

 

 ・フルタイムかパートタイムかにかかわらず、雇用期間の定めが有るか無いかにかかわらず、同一価値の労働を提供する労働者に対しては時間当たり同一の賃金を支払うこと。

 

 ・同一価値労働の評価は、ILO100号条約に基づく職務評価で行うこと。職務評価は「技能」「責任」「負担」「労働環境」の4つの側面を評価するもので、評価基準は公開されたものでなければならない。

 

 ・最低時給を1500円にすること。

 

 

 

新しい賃金制度への移行と就業規定の変更について労使で協議する場を設けること。また、そのために現行の賃金制度について以下の内容を含む十分な情報を提供すること。

 

ⅰ 常勤職員の俸給表

 

ⅱ パート職員の時給の実績(パートの最低時給・最高時給・平均時給は何円か)

 

ⅲ 各種手当の一覧表

 

ⅳ 退職金規定

 

 

 

不安で不公平な運営はゴメンだ!健康で公正な職場をつくれ!

 

長時間勤務をなくし、労働者の健康と患者・利用者の人権を守るために、必要な人員体制を確保すること。

 

 

管理職の私情を持ち込んだ不公平な職場運営をなくし、公正な根拠にもとづく運営を確立すること。

 

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大都市部でのパートの最低時給が1000円を超えた

 大都市部でのパート・アルバイトの最低時給の実績がじわじわと上がり、1000円を超えました。

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 これは求人事業を行っているリクルート社の調べによるもので、同社に寄せられている求人広告でのパート・アルバイトの時給の統計をとったものです。

 求人広告でのパート・アルバイトの時給は、その企業でのパート・アルバイトの最低時給を表していると考えていいのです。

 その求人広告での時給が、東京・大阪・名古屋の大都市圏での平均で、11月に1002円に上昇し、はじめて1000円をこえました。

 12月は1006円とさらに上がったのです。

 1月はやや下がり、993円となっています。若干の上がり下がりはありますが、大都市部での最低時給の実績は、ほぼ1000円となっていると考えていいと思います。

 私たちの働く病院の最低時給はいまだに900円です。病院で働くって、そうとうに難しくて精神的負担が大きいことをやっているんですよ。900円は安すぎます。私たちは、最低時給を1000円に今すぐにアップしてほしいと思っています。

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2017年は、賃金革命で公正な職場を!

 2017年が始まりました。今年も、よろしくお願いいたします。

 

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 毎日働いていて、理不尽を感じることの多いこのごろです。あからさまなえこひいき。管理職のパワハラ。仕事はどんどん押し付けてくるくせに、残業をしたら「段取りが悪い」と嫌味。

 2016年は定期昇給がありませんでした。2015年春以降に入職した人は、一回も昇給を経験していないことになります。医療福祉業界の業務内容はどんどん難しくなっていくし、問われるスキルのレベルも上がっていきます。精神的ストレスも半端ではありません。勉強し研鑽しても賃金に反映されない状況では、将来に希望が持てません。

 協仁会の経営は、日本政策投資銀行に融資を受けるという異例の事態になっています。長年続いてきた慢性的な赤字体質から脱却していかなければ、将来の設計図を描くことも難しくなります。思い切った改革が必要であることは間違いありません。

協仁会は2017年には理事長も交替し、新しい体制で運営していくことになります。2017年は改革の年にしなければなりません。

◆◇◆◇

 改革には様々な側面がありますが、私たちは「賃金革命」を提案します。賃金革命とは、賃金制度の抜本的な再編成のことです。

 常勤職員は年功序列賃金の月給制、パート職員は定額の時給制。現在の協仁会の賃金制度は、この二本立てになっています。

 入職した若いときは賃金が安いけど、毎年自動的に賃金が上がっていって、定年間際には初任給の3倍くらいにまで達する。それが年功序列賃金です。これは、日本が高度経済成長だった時代に出来上がった日本独特の制度です。こんな賃金制度の国は、世界には他にありません。

 しかし、経済成長がいつまでも続くことはありえません。ゼロ成長の現在、年功序列賃金制度は破たんしているのです。

 

一方で、非正規(パート・派遣)の低賃金は、大きな社会問題になっています。同じ仕事をしていても正社員の半分程度の賃金しかもらえないのです。パートが主婦の小遣い稼ぎだった時代は終わりました。難しい業務を担当しているパート職員には、それ相応の賃金が支払われるべきなのです。

 

 12月20日の働き方改革実現会議では、非正規の低賃金を是正する「同一労働同一賃金」の指針が示されました。日本全体で、格差是正の気運が高まっているのです。

 

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 しかし、働き方改革実現会議の「同一労働同一賃金の指針」は内容的には極めて不十分です。

 「同一労働同一賃金」と言っても、「何をもって同一労働とするのか」の考え方がいろいろありえるわけです。働き方改革実現会議の指針の内容は、これまでの年功序列賃金制度の古い慣習にとらわれていて、抜本的な改革にはなっていないと考えます。

 私たちが望む賃金革命のアウトラインは、ILO100号条約で国際的なスタンダードになっている「同一価値労働同一賃金」です。これは、労働価値のアウトプットを職務評価し、その評価が同一なら同一賃金を支払うという画期的な制度です。労働価値の職務評価の項目は、「技能」「責任」「負担」「職場環境」の4分野としなければなりません。

◆◇◆◇

同一価値労働同一賃金の制度では、職務評価の公正さが重要なポイントになります。誰もが納得できるような職務評価が実施されなければなりません。EUでは国が職務評価のガイドラインを詳細に定めているので、それに基づいてあらゆる企業で職務評価が行われています。日本にはまだそれが無いので、自分たちで作っていくしかありません。

同一価値労働同一賃金の賃金革命を進めることは、職場の中に公正さを打ち立てることになります。それは、誰もが生活していける賃金を確保すると同時に、「えこひいき」や「パワハラ」や「身分差別」が無い、希望の持てる職場を作ることになるのです。

2017年は、賃金革命を起動したいと思います。皆さんの参加をお待ちしています。

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年功序列はゴミ箱へ!若者や非正規が希望の持てる賃金制度に!

 「働きかた改革実現会議」というものが9月に発足しました。しかし、なかなか根本的な改革にまでは話がいたっていないのが現実です。

 世界中で日本にしか無い「年功序列賃金制度」。私たちは、これを廃止する時が来たと考えます。みんなで叫ぶ時です。「年功序列はゴミ箱へ!」

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 若いときは賃金が安いが、自動的に毎年昇給があって、どんどん賃金が高くなっていくのが、「年功序列賃金」です。ところが、上のグラフを見てもらったらわかりますが、実際にもらっている金額を見てみると、大きな男女格差があることがわかります。女性は賃金が上がっていかず、どんどん賃金格差が広がっていくのです。「年功序列賃金」は女性差別制度なのです。

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 また、誰もが御存知のようにパート・非正規労働者には昇給が無く、正社員とはまったく違う待遇を受けています。これは「年功序列賃金」である日本が特にひどいのです。正社員の賃金を100としたら、非正規労働者の賃金はフランスでは89はあるのに、日本では56しかありません。「年功序列賃金」は非正規差別制度なのです。

 また、壮年労働者の賃金を高くするために、青年労働者の賃金はすごく安く抑えられています。「若いやつらはガマンしろ。文句を言わずに働け」という考え方がそこにはあります。電通で新入職員が過労自殺に追い込まれて問題になっていますが、その背景には「若いやつはガマンしろ」という風潮と賃金構造があるのではないでしょうか。「年功序列賃金制度」は若者差別制度なのです。

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 私たちは、すべての労働者が均等待遇を受けるように、改革を進めるべきだと考えます。女性差別、非正規差別、若者差別の「年功序列賃金」は、ただちに廃止するべきです。

 若者や非正規労働者が希望の持てるような賃金制度。それを今すぐに作るべきです。

 「年功序列賃金」を叩き壊し、同一価値労働同一賃金を実現すべきです。ところが、日本の財界は同一価値労働同一賃金の導入に反対しています。労働組合の中にも、財界に遠慮して賃金制度改革について何も言わない腑抜けた連中がいくらでもいます。

 安倍sorryが「働きかた改革」とか言っていますが、財界と癒着した政府官僚に任せておくことはできません。私たちは、同一価値労働同一賃金の構築に向けて、一歩一歩進んでいきます。

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